■ 2025年の生活者意識は、「Joyfully Demanding(喜々として欲張り)」
レポート前半では、マクロレベルの生活者意識に言及しています。
「不確かな時代」と呼ばれて久しい現代。2025年もきっとその延長線上にある中、生活者はネガティブではありません。未来への最も大きな希望は日々進化するテクノロジーで、5Gの浸透やAIの進化の加速により、人はますます効率の良い便利な暮らしを求め、かつ当たり前に享受するようになります。(さまざまな未来技術が発表される大阪万博も、そんな意識を後押しするでしょう。)一方で、便利を追求し過ぎて機械的な生き方になってしまうことは避けたいという願いが存在感を増す兆しも。人や地球が本来持つ温度をより大切にしようと、生活者は日々の生活の中で、意識的にサステイナブルな行動をとったり、心と体の健康を総合的に考えたり、今よりもっと目的をもった選択をするでしょう。自分はもちろんのこと、他人も、社会も、地球も、全てを幸せにするために、ひとつひとつの行動により意思を持つ。「Joyfully Demanding(喜々として欲張り)」は、そんな貪欲な生き方を指す言葉です。
■ 「アートの日常使い」や「ローカルクラフト×超実用」がキーワード
レポート後半では、カルチャー、ライフスタイル、デザイン、ファッションというカテゴリでのトレンドを予測。全部で8つのキーワードを導きました。
例えば、「アートの日常使い」。クリエイターエコノミーの成長でクリエイターの人口が増え、アーティスト(芸術家)も今よりも身近な存在になります。プロアマを問わない彼らが自由に作品を作り出しアートのバリエーションを広げ、それを買う場所(オンラインプラットフォームなど)も増え、「アートを買う」という行為が簡単になった結果、アートがより日常的な生活の一部になっていくのではないでしょうか。
また、「ローカルクラフト×超実用」。日本の地方の伝統工芸の技術が、新しい使われ方をしてきています。例えば、和紙にインスパイアされたファブリックで作られた毎日身に着けられる衣服や、生分解プラスチックと掛け合わせ耐久性が強化された新しい畳素材などがすでに生まれています。「伝統」としてどこか特別に見られていた日本の工芸ですが、その技術が現代の実用性を叶えるために使われるという進化が加速するのではないかと思われます。
レポートでは、事例も含めた詳細と、残り6つのキーワードもご確認いただけます。2024年を迎えたばかりですが、今後に向けた生活者予測としてご参照いただけます。本件についてのお問い合わせ、フルレポートのご依頼等は、弊社ホームページ内のContactフォームからお願いいたします。
■ BBDO JAPAN 取締役社長 伊藤治彦のコメント
様々なパンデミックや災害などの負の側面だけでなく、DX革命やダイバーシティ意識の拡大浸透などの前向きなムーブメントも含め、21世紀は不確実性と非連続性に特徴付けられた第一四半世紀を体験してきました。ブランドやそれを体現する広告表現は、そうした変化に対応し、取り込み、あるいはリードすることでその役割をリフレッシュしてきました。
そうした対外的な変化や要請に、受身的に対応し続けることに疲れてきたブランドや消費者は、見失いかけていた本来の「自分自身の幸せや喜び」を再確認し、より自主的により積極的にその価値を求めるようになってきています。押し付けではない、自分自身を幸せにするための楽しい”DEMAND”が、これからの社会とマーケットを動かすエネルギーになると、このレポートは分析しています。
BBDO JAPANでは、すでにこの分析とトレンドの発見に基づいて、クライアントへの提言や長期的なプランニングをスタートさせています。このレポートの発表を機に、より広いカテゴリーやブランドへの提案やワークショップ活動を進めていく予定です。